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速報レポート②

FDSの立体空間デザイン分野の3名が出品

Posted on: 2018/6/22
ミラノサローネ入口

©+bud brand

2018 Milano Salone会場

 今年のミラノサローネ(第57回ミラノサローネ国際家具見本市)には、 4月17日から22日の6日間で、世界180ヵ国以上から43万人が集まりました。予想よりも13万人も多い、史上最多の賑わい。世界のインテリアデザインのトレンドが一堂に集まる中で、日本からの出展も話題を提供したようです。ミニマリズムをデザインコンセプトにすえて、日本企業初のミラノサローネ・アワード受賞となったサンワカンパニーをはじめ、若手デザイナーの登竜門とされる「サテリテ:under35以下の若手デザイナー対象部門」でも、テキスタイルデザイナー・氷室友里さんが3位を受賞、日本の若手デザイナーの活躍が注目を集めました。作品のトレンドとして全体に、東洋的な流れを感じるものも多く、日本の美学が、インテリアデザインの新しい芽吹きとして躍動しそうな予感を感じさせてくれました。

ミラノサローネ出品作品制作風景

©+bud brand

ミラノサローネ出品作品制作風景

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ミラノサローネ出品作品制作風景

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ミラノサローネ出品作品制作風景

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ミラノサローネ出品作品制作風景

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ミラノサローネ出品作品制作風景

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 さて、そんなミラノサローネの中で、「budbrand(バッドブランド)」が今回出展したのは昨年と同じく、若手のクリエイターの作品が数多く展示され、注目度の高いトルトーナ地区のSuperStudioという会場のSuperDesignShow。 「budbrand」は、“才能あふれる次世代の日本人クリエイターが、世界でひと花咲かせるためのプロジェクト”として、3年前からスタートしました。今年で2年連続での出展となる福岡デザイン専門学校からは、立体空間デザイン分野3年の井ノ口鈴さん、2年の古賀礼華さん、日隈由紀さんの作品が出展されました。 では、それぞれの力作を、それではご覧いただきましょう。

 budbrand 作品ページ

 budbrand

 Logic Architecture

福岡デザイン専門学校 デザインニュース

日隈 由紀Yuki Hinokuma

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立体空間デザイン分野 日隈 由紀さん

コンセプト日本では、贈答品や祝儀袋にかける飾り紐のことを水引といい、日本の祝い事の際に使われます。その水引を使い、日本の祝いを表現した一輪挿しです。口の部分を上下にスライドさせたり、回すことで花の姿に合わせ水引きの形状を変えることができます。華を纏うドレスのように、花の魅力を引き出すことができる花器『花纏』です。

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本人コメント二年次の後期課題として約7ヶ月取り組んだミラノサローネ。他のコンペと違いアイディアをPC上で表現するのではなく、自分の力で実物を作り、実際に飾られることを前提にアイディアを出さなければいけませんでした。苦労した点は素材です。素材が手に入らなかったり、自力で加工できなかったり様々な問題を解決し作ったものを企業の方々に向けプレゼンテーションを行いました。結果として、別素材の提案、クオリティーの指摘があり、もう一度作品と向き合うことになりました。自分では完成形だと思っていたものを、客観的に見直し改善するということがとても難しく大変でした。ただ苦労した分、結果以外にも得たものは大きかったです。

古賀 礼華Reika Koga

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立体空間デザイン分野 古賀礼華さん

コンセプト日本には昔から穀物の豊作を祝うお祭りがあります。お祭りでは人々は豊作を神様に感謝し、食事をもてなします。その際に使われていた箸置きを「御箸台」と言います。その「御箸台」を現代の食卓に合わせて、シンプルな形にしたこの箸置きには、食べ物への感謝の気持ちや、おもてなしの思いを込めました。お箸を受ける嚠喨たる曲面は丁寧に磨かれ、小さなフォルムの中に凛とした佇まいを秘め、豊かな時間と空間を演出します。箸置きは、一つ一つ布に包まれ「おもてなし」の時間を待ちます。

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本人コメント私がミラノサローネを通して大変だと思ったことは「人に伝える」ということです。今回は実際にプロトタイプを作り、プレゼンテーションから展示までの一連の流れを初めて経験しました。写真の撮り方、プレゼンテーション、ミラノでの展示レイアウトと作業が進む度にどうやったら自分の作品がより伝わるのかを常に考える日々でした。プロトタイプを見ていただければ伝わると思い、言葉が足らず伝わらなかったり言葉一つの使い方だけでも、ものの印象が大きく変わったりと難しいことも多かったですが勉強にもなりましたし、初めて知ることばかりで楽しかったです。ミラノサローネに挑戦して得たものは、今の自分に足りないものが見えたことだと思います。あと一年の学生生活で、今回得たものを活かしてもっと成長したいです。

井ノ口 鈴Suzu Inokuchi

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立体空間デザイン分野 井ノ口 鈴さん

コンセプト破魔矢は縁起物として、古くから「魔を破り、災厄を祓う矢」として知られています。男の子の初正月や初節句に贈ったり、家を新築した時に鬼門に向けて立てる習わしもあります。破魔矢の矢羽の形をした、この箸置きには、厄除け、開運の願いが込められています。箸置きの上面の勾配は、お箸を置きやすくするとともに、パッケージに収めた時には、段差が陰影を生む矢羽のイメージを伝えます。

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立体空間デザイン分野 井ノ口 鈴さん

コンセプト人生には様々な節目があります。また、季節の変わり目のことを、「節」(せつ)と読んでいました。その節目節目を大切に祝い合うことが良い人間関係を保ち、季節ごとの旬の食べ物を食べることによって生命力を高め、心身の豊かさを保っていました。そのような「節」のつながりを形にした箸置きです。「節-setsu-」は、ひとつでも、二つ、三つと繋げても使うことができ、様々な食事のシーンに対応します。繋げたときに生まれる膨らみの連続が「節」を表現しています。

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本人コメント今回出品された箸置きは、本体のデザインからパッケージまでオリジナルでデザインし、製作も自分で行いました。何度も何度も本体形状やパッケージの修正をするなどクオリティーを上げていくために大変ではありましたが、ミラノサローネでの展示を目指し頑張りました。今回の経験を活かして、これから先もデザインを学んでいきたいと思います。製作を支えてくださった先生方、関係者の方々に感謝しています。ありがとうございました。

いかがでしたか。ミラノサローネでの評価を糧にして、デザイナーとしての一歩を踏み出した彼女たちの、今後の活躍を期待してください。 福岡デザイン専門学校では、ミラノサローネ出品へ向けて、これからもチャレンジしていきます。もう来年へのエントリーに向けて、始動をはじめています。 それでは、また来年、ミラノの熱いデザイントレンドをお届けします。

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今回出品されたミラノサローネ出品を話題に、福岡のFMラジオ局Love FMにも出演させていただきました。

 

デザインで、世界へ!ミラノサローネへの道

福岡デザイン専門学校 立体空間デザイン分野の学生がチャレンジ!まもなく開催されるミラノサローネに向けて、その模様を、速報レポートでお届けします。